胃食道逆流症とは
「胃食道逆流症」と聞くと、どういった症状を思い浮かべますでしょうか?大人が朝起きた時に口の中が酸っぱい臭いになって胸やけがするというイメージを持たれる方が多いのではないでしょうか。実は、小児でも胃食道逆流症は比較的みられる疾患のひとつです。
食道と胃の移行部は通常下部食道括約筋があり、胃内容物が逆流しないように収縮、弛緩がおこっています。この下部食道括約筋の収縮脳が十分でない時に様々な症状が起こります。
症状
新生児期・乳児期に頻繁に嘔吐をする症状が出現します。また、ミルク後にゼーゼーと呼吸する様子もみられることがあります。このほとんどは一時的に下部食道括約筋がしかんしているだけなので、1歳6か月程度には自然によくなることが多いです。幼児期以降の胃食道逆流は自然治癒することは少ないといわれています。時には、嘔吐の反復で吐血することもあります。
検査
検査は大きく分けて二つの検査があります。一つは造影剤を混ぜたものを飲んで、嚥下しているところをレントゲン透視化で確認します。胃に入った造影剤が体位変動などによって逆流するかどうか調べる検査です。そしてもう一つは、食道pHモニタリングです。食道にpHモニターを置いた状態で胃酸が逆流して食道が酸性になるかどうかを調べます。症状が重い場合には、上部消化管内視鏡を行う場合もあります。内視鏡は原則として全身麻酔などが必要となる場合もあり、強い食道胃粘膜病変が疑われる場合に行われす。
治療
新生児や乳児で頻繁に嘔吐する場合は、ミルク後に頭を起こした状態で可能であれば右側臥位にすることをすすめます。また、便秘がある場合は治療も行います。実際に胃食道逆流と診断された場合には、ミルクにトロミ(トロミアップ)をミルクに足す場合、H2受容体拮抗薬(ガスター 1mg/kg/day)やプロトンポンプ阻害薬(タケプロン)などを内服します。幼児の場合は原則として、内服薬で治療を行い、改善がない場合は外科的に手術を行います。
ご家族の方へ
頻繫に嘔吐する症状は新生児や乳児によくみられる症状のひとつです。頻繁に嘔吐して必要なミルクが飲めないと体重増加不良となることもありますので、症状がご心配な場合比較的早めの受診を勧めます。
体重増加不良に関しては下記参照ください↓