小児科医による子どもの病気解説

病気で困っている子ども、パパママへ

乳児の体重増加不良

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乳児の体重増加不良

体重増加は乳児検診で一番注目して診られるポイントのひとつです。ミルクや母乳を飲んで体重を増やし、よく泣いて、よく寝るのが乳児の仕事です。だから、体重増加不良がある場合は、この仕事が上手くできていないことが多く、何が問題か確認する必要があります。具体的には母子手帳の後ろの身長体重のグラフを参照していただき、上下のライン(94%の子どもがこのなかに入ります。)からはみ出す場合には一度ご相談いただきたいです。

 

原因

①摂取エネルギー不足

・供給不足

母乳、ミルク不足、調乳濃度ミス、育児不安や母の精神疾患、ネグレクト、虐待

・経口摂取困難

口唇口蓋裂、巨舌、小顎症、喉頭軟化症、先天性心疾患、染色体異常など

②摂取エネルギーの喪失

・嘔吐

胃食道逆流、消化管狭窄、食道裂孔ヘルニア、代謝疾患、神経疾患など

・下痢

牛乳アレルギー、消化管感染症、下痢、乳糖不耐症、栄養吸収障害など

・浮腫

ネフローゼ症候群、腎不全

③代謝の異常、亢進

先天性代謝異常症、内分泌疾患など

 

検査

体重増加不良があった際は、問診が最重要項目です。発達歴はどうなのか、兄弟はどうなのか、食事の方法やおやつはどうなのか、排便・排尿回数はどうなのか、日常のことを事細かに確認する必要があります。その上で、身長体重だけでなく頭囲、胸囲や血圧、脈拍数などを調べ、必要に応じて血液検査も行います。

 

治療

治療は原因に応じて行います。必要に応じて高たんぱく食や高濃度のミルクを用いることもありますが、ご家族とよく相談して方針を決める必要があります。器質的疾患が疑われない場合には、いままで通りとして経過を診ることも多々あります。

 

ご家族の方へ

体重増加不良は比較的よくみられることです。一番大切なことは、家族だけで大丈夫ではないかと勝手に判断しないで、小児科医も巻き込んで皆で子どもを見守ることだと思います。