小児科医による子どもの病気解説

病気で困っている子ども、パパママへ

膀胱尿管逆流

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膀胱尿管逆流とは

尿は腎臓で作られて尿管を通り膀胱に貯留し、尿道を通り排出されます。尿は正常では逆流することがありませんが、膀胱尿管逆流は膀胱から尿管に尿が逆流してしまう状態です。逆流することによりより上部尿路感染症を繰り返す原因となります。尿路感染症を繰り返してしまうと腎臓は瘢痕化が進んでしまいます。

 

尿路感染症の詳細は下記↓

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膀胱尿管逆流の分類

・一次性膀胱尿管逆流

生まれつき膀胱尿管逆流がある状態で、他の原因がない場合です。尿管が膀胱尿管移行部が通常と違う場所であるため逆流してしまいます。

・二次性膀胱尿管逆流

二次性膀胱尿管逆流は尿路系機能障害によっておこる状態です。原因としては、脊髄髄膜瘤による神経因性膀胱や尿管瘤による閉塞性障害や膀胱炎の反復などが原因として挙げられます。

 

症状・検査

前述のように尿路感染症を繰り返すことで膀胱尿管逆流を疑われることがほとんどです。また、胎児超音波検査で出生前に疑われる場合もあります。

検査は、まず腎臓の超音波検査を行い、瘢痕化の評価をします(腎臓の大きさ、皮質髄質分離、腎盂腎杯の拡張の程度など)。次に逆行性尿管逆流を行います。この検査は逆行性に膀胱に造影剤を使用することで、実際にどの程度まで逆流が起こるか評価することができます。

 

治療方針

年齢が上昇すると自然治癒するケースが多いです。しかし、尿路感染症を繰り返す場合には、長期抗生剤予防投与(ST合剤、アモキシシリンなど)か手術が行われます。抗生剤予防投与は基本的には治療効果が乏しい治療ですので、主治医とよく相談して決定する必要があります。

・腎瘢痕がない場合

1歳以下は抗生剤予防投与を基本として、1歳以上5歳以下では重症度分類gradeⅤで両側性の場合に手術が行われます。それ以上の年齢ではgradeⅢ以上で手術が選択肢のひとつとなります。

・腎瘢痕がある場合

1歳以下では抗生剤予防投与。1歳以上5歳以下では重症度分類gradeⅤ以上は片側性であっても手術が行われます。それ以上の年齢ではではgradeⅢ以上で手術が選択肢のひとつとなります。

 

ご家族の方へ

咳嗽、鼻汁や下痢、嘔吐がない発熱を繰り返す場合、調べた方がよい疾患のひとつです。ご心配な場合は小児科にご相談ください。