小児科医による子どもの病気解説

病気で困っている子ども、パパママへ

マルファン症候群

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マルファン症候群

マルファン症候群は細胞間の接着因子であるフィブリンや弾性線維に生まれつき異常がある症候群です。染色体異常症であり、15番染色体長腕にあるフィブリリン1(FBN1)の異常と3番染色体にある癌抑制遺伝子であるTGFβR2の異常が報告されています。前者は特徴的な症状がはっきりと出現し、後者は目に特徴的な症状がでないタイプです。他にも、小児マルファン症候群という乳児期早期から症状が出現するタイプも知られています。頻度は一万人に1人程度であり、日本には2万人はいると推定されています。

 

症状・合併症

・顔貌、筋骨格系疾患

顔貌はやや長頭、前額部突出、面長、垂れ目、小顎などが特徴と言われています。異常に長い四肢も特徴的です。高身長であることも多く、脊柱変形や漏斗胸となることも少なくありません。指も細くて長く、蜘蛛指症とも言われます。

・心血管系疾患

大動脈基部拡張が特徴的な所見です。症状が進行すると大動脈解離や大動脈瘤といった命に関わる病気となることもあります。他にも僧帽弁逸脱症と僧帽弁閉鎖不全を合併することがあります。

・眼の症状

患者の70%程度に水晶体亜脱臼を認めます。他にも近視、青色強膜、虹彩欠損など様々な眼の疾患を合併することがあります。

 

診断

診断は症状と疾患により診断します。現在では血液検査によって、遺伝子検査が行うことができるため、疑いのある患者さんは検査を受けるべきであると思います。常染色体優性遺伝であるため、自分に子どもができた時にリスクがどの程度あるのか推定することが可能となります。

 

治療

近年、降圧剤のβ遮断薬やロサルタンなどが大動脈基部拡大などのマルファン症候群特徴的な心疾患を予防する効果が注目されています。いずれにしても、マルファン症候群が疑われた場合には、遺伝科、眼科、小児循環器科を受診することがお勧めです。