小児科医による子どもの病気解説

病気で困っている子ども、パパママへ

21トリソミー

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21トリソミー

21トリソミーは、染色体異常症の一つです。ダウン症候群とも呼ばれることがあります。その9割が21番染色体が1本過剰となります。親のどちらかの配偶子形成過程での不分離が原因で、科常染色体の85%は母親由来とされます。約2%のモザイク型では、21トリソミーと正常染色体細胞が混在しています。

出生頻度は1000人に1人程度の確率ですが、母親の出産年齢が高いと頻度が上がることが知られています。

 

症状

新生児期の顔の小奇形による特徴、哺乳力不良、筋緊張低下などで診断が可能です。(小奇形:大泉門開大、短頭、眼裂斜上、肉眼角贅皮、鞍鼻など)乳幼児期は、感染症にかかりやすい、精神運動発達遅滞などの症状があります。学童期には肥満、言語発達障害が問題となります。成人期は、一般的に老化がはやく、うつ症状に注意が必要といわれています。平均寿命は50歳以上です。

 

合併症

先天性心疾患が40%の頻度で合併します。心室中隔欠損症、心房中隔欠損症、房室中隔欠損症、ファロー四徴症など多彩な病気があります。

各心疾患に関しては下記参照ください。

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さらに消化器疾患(十二指腸閉鎖、Hirschsprung病、鎖肛など)、難聴、血液疾患(白血病、一過性異常骨髄増殖など)、環軸椎亜脱臼などを合併することがあります。

 

診断

子どもの血液検査で染色体検査を行うことで診断を確定できます。また、現在ではNIPT(母体血胎児染色体検査)で出生前診断されるケースもあります。確定検査では母体の羊水または絨毛の染色体検査が必要となります。

 

遺伝カウンセリング

21トリソミー児を出産した場合、次の子どもが21トリソミーとなる確率は必ずしも高くないといわれています。次の子どもの出生前診断については、十分に相談する必要があります。高年齢や染色体異常児分娩既往のために選択されることが多い出生前診断ですが、胎児生命の選択手段になり得ることが懸念されています。