小児科医による子どもの病気解説

病気で困っている子ども、パパママへ

摂食障害の治療

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摂食障害の治療

前回は摂食障害の概論に関して、記載しました。

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摂食障害は奥が深い概念ですので、簡単には説明できないところはありますが、今回は接触障害の合併症、外来における治療法に関して記載しました。

 

摂食障害の合併症

・記憶力、思考力、集中力の低下

・うつや不安などの精神的症状

・不安や行動のコントロール障害

・睡眠の異常

・無月経

・極度の低栄養状態は死亡のリスクもあり

・無月経、多毛、骨粗しょう症、低身長、貧血、消化管運動定価、脳の萎縮、肝臓・腎臓機能障害、低血糖など

 

摂食障害の外来治療方針

治療の基本は身体的治療と、体重増加に対する子どもの不安軽減への対応です。心理療法、薬物療法、家族支援などを組み合わせて包括的に治療する必要があります。また、神経性やせ症、神経性過食症だけでなく、やせ願望を示さない「食物回避性情緒障害」や「機能的嚥下障害」なども存在するため時間をかけて子どもと向き合う必要があります。

下記に治療を行う際の一般的事項を記載します。

①治療契約をする

摂食障害がある場合、病識がないため治療を受けようとしない場合も多いです。足がむくんでいたり、多毛となる原因が摂食障害が原因であることを伝え、治療の同意を得る必要があります。

②治療目標を明確にする

最終的な目標体重(標準体重の85%程度)と次の外来受診までの目標を明確にして治療を進めていきます。

③疾病教育

やせ症の状態が続くと、脳の萎縮が認められたり、身体的に異常をきたすことを説明します。パンフレットを使用する場合もあります。

https://square.umin.ac.jp/psmut/ed.pdf

(東京大学医学部附属病院 心療内科)

④栄養教育

管理栄養士とも相談し、食事の量や内容に関して相談することが大切です。

⑤運動に関して

標準体重の75%以下では運動制限を行う必要があります。

⑥再栄養療法

800kcal/日程度食べれるようになったら100kcal/日ずつ程度増やしていきます。

⑦薬物療法

体重減少時には効果が少ないと言われています。不整脈などのリスクもあるため、短期間使用して効果がない場合は中止します。

⑧心理療法

神経性過食症には効果が高いと言われていますが、神経性やせ症には若干効果が乏しいといわれています。

 

時間をかけて治療しなくてはならない難治性の疾患です。

もし気になることがあれば、お早目にご相談ください。