小児科医による子どもの病気解説

病気で困っている子ども、パパママへ

摂食障害

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摂食障害

摂食障害は神経性やせ症(anorezia nervosa)と神経性過食症(bulimia nervosa)を代表とした食行動異常を中心に、多彩な心身症状や行動異常を呈する疾患です。前者は食べたい気持ちを肥満への恐怖心でかろうじて抑えている状態であり、後者は衝動が抑えられずに食べている状態です。摂食障害はの背景には、子どもの訴因や性格経口を中心に様々な要因がからんでいることが多いです。

頻度としては、神経性やせ症は1万人に1人、神経性過食症が2万人に1人程度と報告されています。しかし、受診していないケースが多いため実際にはそれ以上の頻度だと考えられています。両方の疾患は近年増加傾向にあり、女性であることがほとんどです。

 

診断

下記疾患はDSM-5の診断基準があります。

・回避・制限性食物摂取症

・神経性やせ症

・神経性過食症

・過食性障害

更に摂食障害と摂食困難のタイプ分類の暫定基準(GOSC)も簡易的で有用です。

 

神経性やせ症のの治療

身体面、行動面、心理面に分けて治療目標を段階的に進めます。

・身体面

栄養障害の改善→適切な体重の維持→年齢・身長相当の体重の維持

・行動面

体重維持可能な食行動の回復→体重維持可能な食行動の維持、体重維持可能な運動制限の維持、年齢相当の集団生活への復帰→年齢・活動性に見合った食行動の維持

・心理面

身体的病識の回復→体重増加への恐怖感の軽減、精神的病識の回復、トラウマ体験への気づき→年齢相当の身体イメージの回復、食後の不安感・恐怖感の消失、健全な自尊心の回復

 

具体的には治療教育(疾病教育、栄養教育、治療方法)と食事指導を行います。

体重が標準体重の65%未満である場合や、急激な体重減少がある場合、血液検査で異常所見が顕著な場合は入院加療する場合もあります。

 

ご家族の方へ

摂食障害は患者さん一人一人の背景が異なる治療に時間がかかる疾患のひとつです。発達障害との合併も多く、本人が病気を認識することが治療へとつながることもあるため、早めに外来で相談されることをすすめます。