小児科医による子どもの病気解説

病気で困っている子ども、パパママへ

特発性血小板減少性紫斑病

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特発性血小板減少性紫斑病

血小板に対する自己抗体あるいは免疫複合体によって、自分の血小板が壊されてしまう難病のひとつです。血小板が減ってしまうので、出血しやすくなります。日本では年間3000人前後の小児患者さんがいると言われています。このうち、6か月以内に回復する急性型が80%程度で、6か月以上持続する慢性型が20%程度、再発型が2%程度とされています。どの年齢にもみられますが、2歳以下の患者さんが多いです。一般的には高齢で診断されるほど慢性型の比率が高いです。

 

原因

前述したように血小板に対して自己抗体や免疫複合体ができてしまうことが原因ですが、なぜ自己抗体や免疫複合体ができてしまうのかは明確に分かっていません。ウイルス感染などが契機となることが多いことが知られています。

 

症状

血小板が減少することで様々な出血症状が出現します。

・皮膚にみられる出血斑(発疹のように見えることもあります。)

・歯肉出血、口腔内出血

・鼻血

・血便や黒い便

・血尿や赤褐色の尿

・月経過多

・脳出血

 

治療・予後

血小板が1万/μl以下の場合にはガンマグロブリンの投与もしくはステロイドの内服治療が行われます。血小板が1万~2万/μlの場合は、必要に応じて前述の治療介入をし、2万/μl以上の場合は経過観察を行うことが多いです。慢性型の場合は原則として1万/μl以上では経過観察をすることが多いです。そして、10歳以上で粘膜出血や血小板数が1万/μl以下が多い場合には脾臓を摘出することもあります。

小児では慢性型であっても診断後1500日までの間に7割以上が5万/μlを超えることが多いため、成人よりも予後は良いと知られています。

 

ご家族の方へ

特発性血小板減少性紫斑病と診断された場合、打撲するようなスポーツやコンタクトスポーツ(サッカー、剣道、柔道)などは基本的に避けなければいけません。

感染症を契機に紫斑や出血症状が続くようであれば、一度小児科にご相談ください。