小児科医による子どもの病気解説

病気で困っている子ども、パパママへ

過換気症候群

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過換気症候群とは

過換気症候群は心身症の一つです。心身症は「身体疾患の中で、その発症や経過に心理社会的因子が密接に関与し、器質的ないし機能的障害が身体に認められる病態です。ただし、神経症やうつ病など、ほかの精神障害に伴う身体症状は除外されます」(日本心身医学会)。

過換気症候群は、何かの誘因により発作的な過呼吸が起こり、身体各器官および精神に多彩な症状を呈する状態です。

 

原因

強い不安や緊張、運動後に何度も息を激しく吸って吐く、過換気の状態が長く続くと過剰の二酸化酸素を吐いてしまいます。血液中の炭酸ガス濃度が下がることで、脳の呼吸中枢が呼吸を抑制しようとしますが、逆に呼吸ができないような息苦しさを感じてしまい、更に激しく呼吸をしてしまう状態です。

 

症状

血液中は通常は弱酸性ですが、過換気によりアルカリ性に傾くことで、血管が収縮し、手足のしびれや筋肉の痙攣や収縮が引き起こされます。典型的にはトルーソー徴候という、掌のすぼめて指がまっすぐ伸びた状態になることが特徴的です。また、胸痛や動機などの症状がおこる方もいます。

 

診断

症状の診察および血液検査(血液ガス検査)で診断することが多いです。必要に応じて胸部レントゲンや心電図検査などを行い、他の病気が根底にないか調べることも大切です。

 

治療

救急車で搬送される例が多いです。一番大切なことはとにかく「慌てない」ことです。昔はペーパーバック法(吐いた息を袋に集めて吸わせる方法)が主流でしたが、必要以上に二酸化炭素濃度が上がってしまうので逆に危険であり、現在は推奨されていません。必要に応じて、軽い鎮静剤を投与します。繰り返すことも多いので、過換気が身体の病気から起こることを理解することが大切になります。

 

ご家族の方へ

過換気症候群は根底に日常生活のストレスや過度の緊張が原因となっていることがあります。何度か繰り返すこともあるため、早めにクリニックに相談することをおすすめします。