小児科医による子どもの病気解説

病気で困っている子ども、パパママへ

停留精巣

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停留精巣とは

停留精巣は、胎生期に精巣が下降経路の途中で停留してしまい、陰嚢内に固定されていない疾患です。生後直後には5%程度にみられますが、1歳ごろには1.5%程度の頻度になります。特に生後6か月までは自然下降が期待できると知られています。

 

原因

37週未満で生まれた早産児や低出生体重児に多いと言われています。

 

症状

無症状ですので、健診などで見つかることが多いです。鼠径ヘルニアを合併していることも少なくないです。不妊症の原因(手術後で片側性70%、両側性50%程度)や性腺機能低下症の原因となることがあります。また、正常の精巣に比較して5倍腫瘍化するリスクが高いことが知られています。

鼠径ヘルニアの詳細は↓

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種類・診断

種類としては、両側性か片側性かどうかに分けられます。精巣がどの程度まで下降しているかの程度にも分類(腹腔内精巣、鼠径管内精巣、鼠径管外精巣)があります。

診断は、触診による診察です。時期を変えたり、体位変換をおりまぜながら診察する必要があります。必要に応じて超音波検査を行い精巣の有無を確認します。

 

治療

治療は精巣を本来の陰嚢内に固定する手術を行います。手術時期は1歳前後から2歳までに行うことが勧められています。術前にCTやMRIなどで精巣の位置を確認する場合もあります。現在では腹腔鏡という傷口を小さくすることができる手術法を併用する場合もあります。

 

ご家族の方へ

精巣は移動するものなので、お風呂などで温まった時に陰嚢内に降りてくることも多いです。一度停留精巣かもしれないと不安に思った場合は、小児科や泌尿器科にご相談ください。