小児科医による子どもの病気解説

病気で困っている子ども、パパママへ

子どもの心雑音

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子どもの心雑音とは

心音は、「ドックン、ドックン」と表記しますが、これ以外の音が聞こえたり、通常よりも一部の音が大きく聞こえることを一般的に「心雑音」と呼びます。

この場合、「心音の異常」という意味で「心雑音」が使われていますが、正確には間違っています。「心音の異常」のうち、心臓および心臓に近い太い血管の中を通る血流により発生する異常を心雑音と呼びます。

また、心音の異常は病的心雑音と無害性雑音に分けられます。病的心雑音は、心臓や血管が狭い場合や逆流がある場合に聞こえることが多いです。一方で、無害性雑音は血流が勢いよく流れていることで乱流が生じる原因が多いです。

 

正常心音について

「ドックン」の「ドッ」であるⅠ音と「クン」であるⅡ音に分かれます。Ⅰ音とⅡ音の間を収縮期と呼び、Ⅱ音からⅠ音の間を拡張期と呼びます。

 

心音の異常の種類

・異常心音

Ⅰ音、Ⅱ音の音が大きくなったり、小さくなったりします(亢進、減弱)。

また正常でも呼吸によってはⅡ音は二つに分かれて聞こえますが、呼吸によらず常に分かれて聞こえることもあります。(固定性分裂)

・過剰音

心雑音よりも短い、瞬間的に聞こえる音です。

収縮期に聞こえる駆出音やクリック音やⅢ音、Ⅳ音というものがこれにあたります。

・心雑音

収縮期雑音:駆出性雑音、逆流性雑音、機能性雑音があります。

拡張期雑音:Ⅱ音から続いて聞こえるblowing murmur、Ⅱ音とつながりがなく聞こえるrumbling murmurがあります。

収縮期・拡張期雑音:連続性雑音、収縮期拡張期雑音(to and flow murmur)があります。

 

無害性雑音

機能性雑音(Still雑音)は、器質的異常がなくても聞こえる無害性雑音で、「ブゥーン」というコマが回るような楽様音が収縮期に聞こえます。他にも肺動脈血流雑音、鎖骨下動脈あるいは腕頭動脈収縮期雑音、大動脈収縮期雑音、静脈コマ音、乳房雑音など様々な無害性雑音があります。いずれも、体位変換などで雑音が消失する特徴があります。

 

ご家族の方へ

心音を聞いている際に、無害性心雑音が聞こえることはよくあります。経験値を積んだ医師は聴診のみで無害性雑音を見抜くことも可能ではあります。

しかし、心雑音を指摘されて、病的心雑音が否定できない場合は、一度専門医に受診し心エコーなどの検査をしっかり受けることがおすすめです。心エコー検査は非侵襲的で子どもへの負担も少ないので気軽に受けることができます。お近くの専門医にご相談ください。