小児科医による子どもの病気解説

病気で困っている子ども、パパママへ

気道異物

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先日、ニュースで痛ましい事故の報道がありました。

幼稚園で子どもぶどうを食べた際に窒息したという内容です。

ミニトマト、リンゴ片、ブドウなどは5歳以下の窒息のリスクが高いため、食べる時にはあらかじめカットするなど注意が必要です。

今回は、気道異物に関して、記載しようと思います。

 

気道異物とは

気道異物はピーナッツなどの異物が誤って気道内(喉頭、気管、気管支)に入る急性の気道狭窄です。症状は軽症から重症までそれぞれですが、いずれも詰まった瞬間からの急激な変化が特徴的です。

 

症状

吸引した直後から激しい咳き込みがあります。30分以内には、咳き込みも改善することが多いですが、再び1日以内に症状が出現することが多いです。

上気道での狭窄である場合は、息を吸う時に喘鳴が聞こえます。逆に下気道での狭窄である場合は、息を吐くときに喘鳴が聞こえます。

異物が完全に気道を閉鎖した場合は窒息であり、時に致死的です。ただし、少しでも換気が維持できれば、救命できることが多いです。

気管に異物が入った状態で放置していると、肺炎となることもあります。

 

診断・検査

診断は、聴診および胸部レントゲンで行います。気道異物は1歳台に多いため、大人が目撃できたケースも少なくありません。まず、胸の音を聞き、喘鳴が吸気性なのか、呼気性なのか、どちらに呼吸音や喘鳴が聞こえるのか入念に聴診を行います。レントゲンでは、吸気位と呼気位での比較を行うのが、一般的です。異物が入っている側の肺は呼気時も過膨張となります。診断が分かりづらい場合には、CTなどを行う場合もあります。

 

治療

・内視鏡的治療

気管や上部気管支での異物であった場合、内視鏡的摘出を行います。摘出できない場合は異物を砕いたりして、窒息しない程度の大きさにする場合もあります。

・外科的治療

内視鏡的に摘出困難な場合、気管支壁を切開して直接的に摘出する場合があります。

 

ご家族の方へ

子どもは、思いもよらないものを口にいれることがあります。基本的には「トイレットペーパーの芯」程度の大きさのものは口に入れます。できるだけ、子どもの手に届く場所には、こういうものを置かないようにしましょう。また、食べ歩きでは誤嚥や窒息のリスクが上がります。ですから、食べる時は座って食べるように指導しましょう。