小児科医による子どもの病気解説

病気で困っている子ども、パパママへ

日本脳炎

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日本脳炎とは

日本脳炎は、日本脳炎ウイルスにより発生する疾患で、蚊を介して感染します。日本では1966年をピークに減少し、1992年以降は毎年10人以下の感染者に抑えられています。

 

症状

蚊から感染しても日本脳炎を発症するのは、1000人に1人程度といわれ、ほとんどが無症状で終わります。潜伏期間を経て、数日間の高熱、頭痛、悪心、嘔吐、目まいなどの症状が出現します。子どもの場合は腹痛、下痢などの消化器症状も出現します。そして髄膜炎や脳炎の症状(けいれん、不随意運動、筋硬直、麻痺)が徐々に進行します。

 

診断・治療

診断は、血液検査、髄液検査、画像的検査から行います。疑わしい場合は、血清の抗体価やウイルス分離を行い、確定診断を行います。

治療は日本脳炎に特異的なものはなく、対症療法が中心となります。発熱と痙攣のコントロールを行い、必要に応じて脳浮腫への治療を行います。日本脳炎は症状が出現した際にはすでに脳にウイルスが到達し脳炎を起こしているため、死亡することも多く、高確率で後遺症を残す感染症です。

 

感染経路

ヒトからヒトへの感染はありません。主にブタの体内で増殖し、蚊が吸血・媒介することでヒトへの感染が起こります。

 

潜伏期間

6日~16日の潜伏期間を経て発症します。

 

ご家族の方へ

日本脳炎は治療法がない病気であるため、予防することが非常に重要です。

予防の中心は蚊の対策と予防接種です。日本脳炎の不活化ワクチンが予防に有効なことはすでに証明されている。実際、近年の日本脳炎確定患者は予防接種をうけていなかったことが判明しています。

予防接種は第一期として、1~2週間間隔で2回そして、その1年後にもう1回追加する3回打ちが基本です。第二期は9~12歳に1回追加を行います。