小児科医による子どもの病気解説

病気で困っている子ども、パパママへ

周期性嘔吐症(自家中毒)

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周期性嘔吐症とは

周期性嘔吐症は、数日間嘔吐発作を周期的に繰り返す病気です。従来、自家中毒と呼ばれていました。発症の平均年齢は5歳程度で、数年をかけて自然によくなることが多い病気です。やや女の子の患者が多いことが知られています。

 

症状・原因・病態

症状は発作的な嘔吐症状を繰り返します。1時間に5, 6回嘔吐してしまうこともあります。片頭痛や聴覚過敏、めまいを同時に起こすことがあります。原因として、感染症や精神的ストレス、疲労、生理などが契機になることが多いです。

周期性嘔吐症の病態はいまだ不明な点が多い病気です。国際的には、片頭痛の1つとして位置づけられていますが、周期性ACTH-ADH放出症候群などの内分泌疾患との関連なども指摘されています。

 

診断・治療

症状による診断を行います。国際頭痛分類による診断基準などありますが、診断の決め手となる検査はありません。他の器質的疾患(消化器疾患、神経疾患、内分泌疾患)を否定するために、血液検査や尿検査などを行う場合があります。

周期性嘔吐症に特異的な治療法はなく、輸液による水分補給や制吐剤投与で対症療法を行います。予防薬として、片頭痛に対する治療薬などが使用されることがありますが、必ずしも効果的ではないため、発作が月に1回以上おこるような患児に考慮されます。

 

ご家族の方へ

周期性嘔吐症は「吐き癖」があるなどといって、放っておかれがちです。実際、急性胃腸炎や心因性嘔吐などと誤診されている場合も少なくありません。一般的には2,3年をかけて自然に改善することが多いと知られていますが、片頭痛へ移行する患者さんもいるため注意が必要です。

胃液を吐き出すような嘔吐の繰り返しは、人間の酸とアルカリのバランスをくずしてしまうため、急激に体調不良が進行します。経口飲水ができない場合は、点滴で改善を図る必要があるため、早めに病院を受診することをお勧めします。

また、ふとしたきっかけで嘔吐が頻回に起こる場合には、小児科にご相談ください。