ものもらいとは
「ものもらい」は、まぶた(眼瞼)における炎症疾患の俗称です。一般には、眼瞼炎と呼び、麦粒腫や霰粒腫のことをいいます。子どもの眼瞼炎は感染症に伴う一時的な炎症が多いことが特徴です。
原因
麦粒腫:まぶたの縁にある脂腺や睫毛の毛根が感染を起こして膨らむ状態
霰粒腫:まぶたの内側にある脂腺に非感染性の炎症が起こっている状態
症状
眼瞼の発赤、腫脹、目やに、痛み、掻痒感の症状が出現します。かゆみが強く、掻きむしってしまうと、眼瞼がむくんでしまいます。アトピー性皮膚炎のような慢性的な眼瞼炎で、ひっかき続けると、角膜が傷つき視力の低下につながることが稀にあるため注意が必要です。
診断・治療
眼瞼の視診をすることで診断が可能です。治療は、原則として細菌感染に対しては抗生剤の点眼、軟膏塗布、内服を行います。感染症以外の炎症に対しては、抗炎症薬の点眼やステロイド軟こうの塗布を行います。眼帯の使用は遮断弱視を起こす可能性があるため、極力行わないことが重要です。
麦粒腫に対して点眼治療で十分な効果が得られない場合は、手術で膿点に対して切開排膿を行う場合があります。
霰粒腫の場合、ステロイド点眼により改善する場合が多いですが、改善が乏しい場合には同様に手術を行うことがあります。
ご家族の方へ
子どもの「ものもらい」は麦粒腫であることが多いため、かぜ症状と同時に起こることが多いです。症状が出現した場合、はやめに点眼薬を投与することで症状が改善するため、早期の受診がおすすめです。