小児科医による子どもの病気解説

病気で困っている子ども、パパママへ

漏斗胸・鳩胸(胸郭変形)

f:id:kodomokokoro:20200803084437p:plain

漏斗胸・鳩胸とは

漏斗胸は、胸板を形成する胸骨と肋軟骨の一部が、背中側の脊柱に向かって漏斗状に陥没している状態のことです。発生頻度は1000人に1人程度で、男子に多い特徴があります。

鳩胸は胸骨が前方に突出した状態で、胸骨柄部分が突出しているタイプと、胸骨体部が突出しているタイプに分けられます。発生頻度は10000人に1人程度で、やはり男子に多いとされます。

 

原因

漏斗胸・鳩胸の原因は、ほとんどが生まれつきの要因といわれています。遺伝性疾患に合併することもあります。胸郭の変形疾患の原因は、まだ分かっていないことも多いです。

 

症状

漏斗胸は、生まれて1か月以内に気づかれることが多いです。1,2歳にははっきりと漏斗胸とわかります。成長に伴い、胸骨が肺や心臓を圧排することで、労作時の息切れや胸痛、動悸などの症状を訴える場合があります。

一方、鳩胸は乳児期以降に気づかれることが多いです。成長に伴い、症状が出現することは稀ですが、本人が胸郭の変形を気にして内向的な性格となる場合があります。

 

診断・治療

・漏斗胸

視診によって診断はできます。胸痛などの症状がある場合は、小児循環器や小児外科の医師に相談する必要があります。また、新生児期や乳児期に呼吸障害があった場合には胸郭が一時的に変形する「偽性漏斗胸」があるため、3歳程度までは様子をみることが多いです。

手術時期は術式によって至適時期が異なります。近年多く行われているNuss手術は、小さな手術切開で行うことができます。金属の棒を胸骨の内側に挿入し、内側から押し上げる手術です。数年挿入した後に取り出す手術を行います。施設により手術適応年齢は異なりますが、一般的には、8歳以降で18歳までには行われることが多いです。

・鳩胸

思春期以降に美容的観点から手術される場合があります。

 

ご家族の方へ

子どもが漏斗胸を容姿として気にするのは、15歳前後であることが多いです。保険診療で行える手術ですので、気になる場合は小児科へご相談ください。