小児科医による子どもの病気解説

病気で困っている子ども、パパママへ

円形脱毛症

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円形脱毛症

円形脱毛症は小児から高齢者まで全年代に発症し、円形~楕円形の脱毛斑が生じる皮膚疾患です。

 

原因

円形脱毛症の原因は毛包に対する自己免疫性の全身性皮膚疾患と考えられていますが、詳細は不明な点も多いです。アトピー素因を持つ方は円形脱毛症になりやすいと考えられており、精神的ストレスが高まった後に発症することが多いと考えられています。

 

症状

初発年齢は10~20歳に多いですが、9歳以下の場合より広範囲で複数の場所に出現することが多いと考えられています。脱毛の部位により

①単発型:脱毛斑が1か所

②多発型:脱毛斑が複数個所

③汎発型:頭髪・眉毛・睫毛・体毛など全身の脱毛

④全頭型:頭部全体の脱毛

に分けられます。

アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎や甲状腺炎や白斑やSLEなどの自己免疫性疾患を合併している場合もあります。

 

診断

視診により診断し、甲状腺疾患などの膠原病の合併がないか検索する必要があります。小児の場合は、脱毛癖(トリコチロマニア)との鑑別が重要です。脱毛癖は母子関係に問題のある10歳前後の女児に多いといわれます。脱毛癖は円形脱毛症と同様に家庭内のストレスにより発症することが多いですが、軽く髪を引っ張るだけで抜けるという易脱毛性を認めません。

 

治療

単発例は3か月から6か月で自然治癒することが多いです。再発例や広範囲脱毛例で、3か月以上経過しても改善がない場合は治療適応となります。

①外用薬

塩化カルプロニウムという血管拡張薬やステロイド外用薬の塗布を行います。効果が乏しい場合はステロイド外用薬をより強いものへ変更します。

②内服療法

セファランチン、抗ヒスタミン薬内服などを行います。脱毛範囲が広いと効果が乏しいことが多いです。

③ステロイド局所療法

痛みを伴うため、中学生までは使用できません。

④物理化学療法

内服・外用療法に組み合わせて、光線療法などを行います。

 

ご家族の方へ

円形脱毛症は、他人から見える変化で、長期間治療しても改善しない場合も多く、いじめの原因にもなりえます。心配な場合は、小児科や皮膚科へご相談ください。