小児科医による子どもの病気解説

病気で困っている子ども、パパママへ

ミルクの種類(アレルギーミルクなど)

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ミルクの種類について

いざ赤ちゃんに育児用ミルクを購入するとき、薬局へ行くとたくさんの種類のミルクがあり、混乱すると思います。今回は販売されているミルクについて解説します。

 

①乳児用調整乳

・乳児用調整粉乳 

新生児から1歳までの乳児を対象にした一般的なミルクです。原材料は牛乳です。タンパク質、脂質、糖質、ミネラルを母乳の成分に近づけています。

代表的なミルク:すこやか(雪印ビーンスターク)、ピュア(雪印メグミルク)、はぐくみ(森永乳業)、はいはい(和光堂)、アイクレオバランスミルク(江崎グリコ)、ほほえみ(明治)

・乳児用調整液状乳

常温で保存でき、調乳が不要で、容器から直接飲むこともできるミルクです。災害や緊急時の備蓄用にも用いることができます。

代表的なミルク:アイクレオ赤ちゃんミルク(江崎グリコ)、明治ほほえみらくらくミルク(明治)

 

②治療用調整粉乳

・アレルゲン除去粉乳と無乳糖粉乳

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(食物アレルギー診療ガイドライン2016(2018年改訂版)を一部改変)

 

※分子量が大きいほど、風味が良く飲みやすいです。

※ビタミンKや銅・亜鉛・ビオチンなどのミネラルはどのミルクにも含まれています。

※アレルゲン除去粉乳は、ミルクアレルギーや牛乳アレルギーに主に使用します。無乳糖粉乳は、乳糖不耐症に主に使用します。(ニューMA-1、ビ-ンスタークぺプディエット、明治ミルフィーHP、明治エレメンタルフォーミュラは乳糖不耐症にも適応があります。)

↓乳糖不耐症は下記をご参照ください。

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・脂質吸収障害症に対する粉乳

中鎖脂肪酸(MCT)は長鎖脂肪酸と違い、リンパ流の増加を起こさず吸収されます。そのため、先天性胆道閉鎖症や乳び胸、難治性胸水・腹水にはMCTフォーミュラを使用します。

 

・その他の治療用調整粉乳

医師から特殊ミルク事務局に連絡することで手に入るミルクでは、代謝疾患(フェニルケトン尿症やメープルシロップ尿症)に対して使用するミルクや、難治性てんかんに対するケトンフォーミュラなどがあります。他にも、医師の指示のもと使用する胃食道逆流症用のARミルク(森永乳業)なども存在します。

 

③フォローアップミルク

フォローアップミルクは生後9か月以降の離乳期にある乳児用のミルクです。離乳食を併用することで必要な栄養を獲得するように調整されています。そのため、タンパク質は強化される一方で、脂質含有量は低くなっています。更に、この時期に不足しがちな鉄、ビタミンDに加えてカルシウム、リンが多めに含まれています。マンガン、銅、亜鉛、ヨウ素、セレンなどの微量元素は離乳食から摂れるため、入っていません。

 

混同しやすいミルクアレルギーと牛乳アレルギーについて

ミルクアレルギーという名称は、非常に使われることが多く、牛乳アレルギーと混同されてしまっていることがあります。

ミルクアレルギーは生後間もなく発症することが多い、新生児・乳児消化管アレルギーです。症状は嘔吐・血便、体重増加不良が主で「IgEに依存しないⅣ型アレルギー」のひとつです。摂取直後より24時間いないに比較的ゆっくり症状が発症します。

対して、牛乳アレルギーは離乳食開始時期に診断されることが多い、即時型アレルギーです。症状は接種直後におこることが多く、蕁麻疹・アナフィラキシーなどが主で、典型的にはヨーグルトなどの乳製品が原因となることが多いです。この時期に初めてミルクを使用したことにより症状がでることもあります。

 

乳糖不耐症やアレルギーで下痢となった際はおむつかぶれも悪化することが多いです。

↓おむつかぶれに関しては下記をご参照ください

 

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大切なことは、治療用調整粉乳を使用する際は医師とよく相談し、使用していただくことです。困った場合は小児科へご相談ください。