小児科医による子どもの病気解説

病気で困っている子ども、パパママへ

心室中隔欠損

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心室中隔欠損とは

心臓の心室を隔てる壁である中隔の一部が欠損している病気です。先天性心疾患の中で一番多い頻度の疾患で、先天性心疾患の約20%といわれています。(心室中隔欠損単独でないものも含みます。)性別ではやや女性に多いです。

 

分類

分類法が複数あり、名称がかなり複雑です。

・東京女子医大分類

1型:肺動脈弁下型

2型:漏斗部中隔孤立型

3型:膜様部型

4型:共通房室弁口

5型:筋性中隔型

・Kirklin分類

1型:東京女子医大分類の1型、2型

2型:膜様部型

3型:共通房室弁口

4型:筋性中隔型

・Soto分類

1.漏斗部心室中隔欠損

2.膜性部とその周辺の中隔欠損(流出部、流入部、肉柱部)

3.筋性中隔型

 

血行動態と心臓への負担

①上下半身からの静脈血が右心房に集まり、右心室を介して肺動脈へ流れる。

②酸素化された血液が肺静脈から左心房、左心室に流れ、左心室からの一部の血液は欠損孔を介して再び肺動脈へ流れてしまう。

③左心房、左心室には通常より多くの血流が流れ込んでくる。

その結果、通常よりも左心房、左心室が拡大する(容量負荷)。肺に流れる血流が多いと肺高血圧となることもある。

 

症状・診断

症状は、肺に流れる血流が増えること(肺うっ血)で呼吸苦が出現します。症状の出現時期は欠損孔の大きさにより様々です。乳児期で症状が出現した場合は、体重増加不良がみられます。大人では労作時の息切れが出現します。

 

治療

小さい欠損孔は自然閉鎖を期待して経過を診ます。1歳以上では、自然に閉じることは少なくなりますが、欠損孔が小さく体に悪影響がない場合、手術をせず経過を診ます。また、歯科治療などの際に、感染性心内膜炎を予防するために抗生剤投与が必要です。

呼吸苦の症状が軽度見られる場合は、利尿剤などを使用する場合があります。欠損孔が大きく、肺に流れる血流が多い場合には人口心肺を用いた開胸手術を行います。