小児科医による子どもの病気解説

病気で困っている子ども、パパママへ

虫垂炎(盲腸)

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虫垂炎とは

虫垂炎は、「盲腸」の名前で知られる急性腹症のひとつです。大腸の一番口側の盲腸についている虫垂突起に炎症が起こる病気です。成人でも発症することがありますが、小児では、幼稚園から中学生まで幅広い年齢層で発症します。

 

症状

虫垂炎では、不機嫌、発熱、嘔吐、腹痛、食欲低下、歩行困難などの症状が出現します。大人のように典型的な「右下腹部の痛み」は出現しないことも多いです。症状が進行すると、炎症を起こし腫れあがった虫垂に穴があき、周囲に膿が溜まることで腹膜炎など重症化することがあります。特に糞石という便の塊が虫垂につまっている場合は、穴があきやすいため注意が必要です。

 

虫垂炎スコア

スコアリング評価による診断の方法もあります。


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3点以下では、可能性が低い

4点から6点では、断定が難しい

7点以上では可能性が高い

※腹部エコーなど画像初見を参考に診断する。

(エビデンスに基づいた子どもの腹部救急診療ガイドライン2017より)

 

診断・治療

虫垂炎は、胃腸炎との鑑別が難しいため、診断がおくれてしまうこともあります。急性中耳炎が疑われた場合は、血液検査や、腹部レントゲン、超音波検査を行います。必要に応じて、腹部CT検査が行われる場合もあります。

虫垂炎の治療は、炎症が強くない場合は、点滴・投薬・食事制限などで内科的に治療することが多いです。外科的手術を行う場合、原則的には1週間程度の入院が必要になります。ただし、虫垂周辺に膿が溜まっている場合には入院期間がながくなることがあります。現在は、腹腔鏡による手術もうけることができ、傷跡が目立たないことがメリットとして挙げられます。