小児科医による子どもの病気解説

病気で困っている子ども、パパママへ

中耳炎

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中耳炎とは

耳は、外耳、中耳、内耳の3つの部位に分けることができます。中耳炎は、咽頭などにいる細菌が、耳管(耳と咽頭を繋ぐ管)を通って中耳に入り込むことで炎症を起こすことをいいます。子どもは大人よりも耳管が短いため、中耳炎になりやすい特徴があります。

 

症状

中耳炎では、激しい耳の痛み、発熱、耳だれ、耳閉感(つまった感じ)などの症状が出現します。子どもでは、耳管の距離も短いため咽頭炎に併発することもよくみられます。耳の痛みがかなり強いため、しばらく泣き叫んでしまうこともあります。

 

診断・治療

中耳炎の診断は、耳鏡を用いて鼓膜の様子を観察することで診断します。小児急性中耳炎の診療ガイドラインに基づき治療することが一般的です。

まず、年齢、鼓膜の所見、痛みの程度などから、軽症、中等症、重症に分類します。

・軽症の場合

3日間抗生剤を使用せず、鎮痛剤で経過を診ます。改善がなければ、抗生剤を投与し加療します。膿が溜まっている場合は、鼓膜を切開する場合もあります。

・中等症、重症の場合

最初から抗生剤を投与します。効果がみられない場合は、抗生剤を変更もしくは量を増量して加療します。点滴の抗生剤投与が行われる場合もあります。

・滲出性中耳炎

耳管がうまく機能できず、耳の中の圧力が低下し、周辺組織からしみだした液体がたまってしまった状態のことを滲出性中耳炎といいます。耳鏡で見ると、鼓膜が内側に凹む所見から診断できます。また、聴力検査でも聴力の低下から診断できます。治療に3か月程度かかることもあり、鼓膜換気チューブを挿入する場合もあります。

 

家庭で気を付けること

・痛みが強い場合は、まずアイスノンをタオルで巻き痛い部位を冷やしましょう。改善がなければ解熱鎮痛剤は使用しましょう。

・鼻をかむこと、鼻吸引すること、鼻の洗浄は中耳炎の予防効果があります。ただし、鼻汁はすぐにたまってしまうため、食事前や寝る前など決まったタイミングで鼻吸引をするのがおすすめです。

・耳鼻科で連日吸引し、治療する方法は医学的根拠が乏しいことと、子どもの恐怖心が増してしまうため、おすすめできません。