小児科医による子どもの病気解説

病気で困っている子ども、パパママへ

チック障害

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チックとは

チックは「突発的で急速であり、かつリズムなく繰り返されるパターン化した運動」のことを指します。この運動が発声に関わる筋肉に起これば、同様の特徴をもつ発声になります。

子どもの10~20%は経験するといわれ、男児に多い傾向があります。チックは一定の時間であれば意識的に抑制できますが、基本的には抵抗できない不随意運動です。

 

チックの種類

・単純運動チック

素早い運動で瞬きなどが多く知られています。

・複雑運動チック

やや動きが遅く体の一部が動くものです。

・単純音声チック

咳払いが一番多いです。

・複雑音声チック

状況に合わない単語やフレーズを繰り返します。汚言症が代表的です。

 

チックの診断

症状の観察とご家族の問診から診断します。

・トウレット症候群

様々な運動性チックと少なくとも1つの音声チックを同時に認めます。ほぼ毎日1日中頻回にチックが出現します。

・慢性チック障害

運動性または音声チックを認めます。ほぼ毎日、1日中チックが出現します。

・一過性チック障害

運動性または音声チックを認めますが、4週間以上続くが1年以上続くことはない。

 

チックの原因

脳の興奮を高める効果があるドパミンの過活動が原因と考えられています。心因性ではないのですが、心理的な影響で(緊張が増した時に)増悪します。ADHD(注意欠陥多動性障害)の10%以上にチック障害の合併があることが知られています。

 

チックの治療

治療の基本は、心理教育、環境調整です。重症度によっては薬物療法を行うこともありますが、あくまで対症療法ですので薬物療法で根治を期待することは難しいです。

チックは育て方などが原因ではなく、生物学的要因が大きく関与している医学的な問題です。本人の性格や努力が足りないなどの問題では決してありません。

本人の環境を調整するだけで、改善することもあります。ゆっくり経過をみることが大切です。