小児科医による子どもの病気解説

病気で困っている子ども、パパママへ

肺炎球菌感染症

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肺炎球菌感染症とは

肺炎球菌は鼻腔や咽頭に常に存在する細菌です。この肺炎球菌が、中耳や肺や血液中で病原性をもつと、中耳炎、肺炎、菌血症、髄膜炎など重篤な感染症を引き起こします。近年、抗生剤が効きづらい肺炎球菌感染症が半分以上をしめており、問題となっています。

 

肺炎球菌の肺炎

肺炎球菌による肺炎は突然に始まることが多いです。発熱、咳嗽に続き呼吸困難が出現します。胸部レントゲンで診断し、抗生剤を投与し治療します。呼吸状態が悪い場合は、入院となることがあります。

 

肺炎球菌の中耳炎

肺炎球菌性中耳炎は、耳が痛み、鼓膜が腫れます。抗生剤内服で治療しますが、痛みが強い場合は解熱鎮痛剤やタオルでくるんだアイスノンなどで冷やすのが効果的です。小児の中耳炎の30~40%の原因は肺炎球菌といわれております。

 

肺炎球菌の髄膜炎

肺炎球菌による髄膜炎は発熱、頭痛が出現します。また、顎を下げて胸に近づけようとすると痛みが出て首が固くなる後部硬直という症状がでることもあります。(※乳児では後部硬直はみられることはほぼありません)

背中から針を刺して、髄液(脳と脊髄の周りの体液)を採取し、髄液に細菌などがいないか調べる必要があります。

1か月程度の入院加療が必要になり、さらに25%の児に後遺症(発達障害、聴力障害、てんかんなど)を起こします。そして、死亡率も約5%と高い疾患です。

 

肺炎球菌ワクチンについて

2000年より使用されていた7価結合型ワクチン(PCV7)に代わり、2010年より13価結合型ワクチン(PCV 13)が使用されるようになりました。これにより、小児の肺炎球菌感染症だけでなく、成人の肺炎球菌感染症数も減少を認めました。

尚、65歳以上の成人には、異なるワクチンの非結合型ワクチン(PPSV23)が推奨されています。65歳以下であっても慢性肺疾患や慢性心疾患、慢性肝疾患、糖尿病、喫煙者には推奨されています。