小児科医による子どもの病気解説

病気で困っている子ども、パパママへ

子どもの頭痛

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子どもの頭痛

頭痛は小児・思春期において非常に高い頻度の症状です。繰り返す頭痛は、片頭痛や緊張型頭痛などのいわゆる「1次性頭痛」がほとんどですが、生命に危険を起こす器質的な疾患に伴う頭痛「2次性頭痛」を除外することが重要です。

頭痛を繰り返す場合

 頭痛の詳細を把握します。

・症状はいつからですか?

・片側性か両側性かどちらですか?

・痛みの部位はどこですか?

・程度はどのくらいの痛みですか?

・拍動性か、鈍痛かどちらですか?

・頻度はどのくらいで、どのくらい続きますか?

・1日のうちで起きやすい時間はありますか?

・徐々にはじまるか、突然はじまるのかどちらですか?

・頭痛の前兆症状がありますか?前兆症状の持続時間はどのくらいですか?

・頭痛の誘因はありますか?

・頭痛に嘔気、眩暈、肩こり、意識障害など他の症状を合併しますか?

・頭痛持ちの家族はいますか?

・自家中毒(周期性嘔吐)、熱性けいれん、てんかん、起立性調節障害、など既往の病気はありますか?

・精神的に不安なことはありませんか?

・休日になると頭痛はなくなりますか?

など、詳細に問診を行います。

1次性頭痛

多くは片頭痛、緊張型頭痛です。典型的な特徴を下記に図で示します。

 

片頭痛

緊張型頭痛

発作性の頭痛

持続時間

4~72時間

30分~7日間

部位

片側性

両側性

性質

拍動性

非拍動性

強さ

中等度~重度

軽症~中等度

日常動作での悪化

悪心・嘔吐

光過敏・音過敏

家族歴

濃厚

希薄

 

頭痛の基本治療

頭痛の基本治療は2つあります。

①不安の解消

頭痛が繰り返し起こると、何か大変な病気なのではないかと不安になります。ですので、可能であれば頭部MRIなどを行い、生命を脅かすような器質的疾患(2次性頭痛)ではないことを証明します。

②生活習慣の改善

・可能な限り早寝、早起きとし、睡眠時間を確保します。ただし、片頭痛は寝すぎでも起こるので注意が必要です。

・頭痛の誘発や増悪因子があるようであれば、その行動を避けるように指導し、日常生活を過ごします。

・特定の食事によって頭痛が誘発される場合は、その食事を避ける必要があります。

・適度な運動と頭痛体操は、頭痛予防法として有用であるため、使用するようにします。ただし、頭痛が起こる前兆や頭痛が起こっている最中の運動は悪化するため、避けるようにしましょう。

 

薬物治療

<急性期治療> 

頭痛は痛みの程度がつよく、身体を動かすと悪化するため、日常生活への影響が大きい病気です。周囲の明るさや騒がしさで頭痛が悪化することもあります。

不適切に頓服薬の使用頻度が増えると、頭痛の頻度が増え、いわゆる薬物乱用頭痛を発症することもあります。繰り返す場合は、小児科にご相談ください。

急性期薬物療法はイブプロフェンもしくはアセトアミノフェンが効果的かつ安全に使用できます。片頭痛に対しトリプタン製剤は成人での有効性は広く知られていますが、まだ小児ではエビデンスが不十分です。(体重が40㎏以上で12歳以上の小児には成人量、体重25~40㎏の小児では半量投与されることが多いと思います)

<予防的治療>

海外ではトピラマートが有効とされていますが、日本では保険適応外となります。12歳以下ではペリアクチン、効果の乏しい場合バルプロ酸などが使用される場合があります。

 

慢性連日性頭痛

慢性連日性頭痛は1日4時間以上、月15日以上、3か月を超えて続く頭痛です。比較的頻度が低い疾患ではありますが、学校へ行くことができないなど日常生活に支障がでてしまう疾患であるので、治療を早期に開始する必要があります。精神的な原因がもとになっていることもあるので、心理カウンセリングが必要となる場合もあります。