小児科医による子どもの病気解説

病気で困っている子ども、パパママへ

ジフテリア

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今回も、現在日本では流行はしていない感染症に関してのお話です。

4種混合ワクチンに含まれる怖い病気ジフテリアに関して記載します。

ジフテリアとは

ジフテリアとは、ジフテリア菌の感染によって生じる感染症です。1945年の日本では年間8万6千人の報告(致死率10%)と報告された怖い病気でした。予防接種の普及により、日本での最後の報告は1999年が最後になっています。

実際、近年南米で流行がありました。

ベネズエラでは2016年から2年間で969人のジフテリアの報告がありました。発生率の高かった年齢は5歳から19歳で、致死率は15.5%と非常に高い報告でした。

症状

発熱、咽頭痛、嚥下痛で始まり、血液まじりの微絨や鼻腔、唇のびらんなどを認めます。また、クループ症状が出現し、呼吸困難となることがあります。合併症として、心筋炎があり、突然死をきたすことがある怖い病気です。また、末梢神経炎という神経麻痺を起こすことがあります。

診断・治療

特徴的な症状から診断します。治療にはウマ由来の血清療法が行われます。また、抗生剤による治療も行います。万万が一かかってしまった場合は、保健所への報告が義務付けられている非常に感染力が強い感染症ですので、必ず医師に相談をしましょう。原則として、居住する家や学校に疑いがある患者がいても登園・登校はできません。

感染経路

咳嗽、鼻汁による飛沫感染です。

潜伏期間

2~5日程度で発症します。

予防接種について

ワクチン接種後の反応として多く見られる症状として発熱、発疹、鼻汁、咳嗽、注射部位紅斑・腫脹などがみられます。海外のジフテリア流行地に滞在する場合はジフテリアトキソイドを10年おきに追加接種することが推奨されています。