小児科医による子どもの病気解説

病気で困っている子ども、パパママへ

乳糖不耐症

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乳糖不耐症とは

ミルクや母乳、乳製品などに含まれる乳糖を分解する消化酵素(ラクターゼ)が減少することで、乳糖が腸から分解・吸収できなくなります。そうなると、乳糖が大腸で発酵して、下痢を引き起こしてしまいます。摂取した直後や30分以内に下痢となって排出されてしまいます。この状態が、乳糖不耐症です。

 

乳糖不耐症の原因

・先天的なもの

生まれつき乳糖を分解する消化酵素が欠けているため、母乳やミルクを飲み始めてすぐに下痢を繰り返します。十分に体重が増えることなく、発育障害を起こすこともあります。5万人に1人程度の頻度の非常にまれな病気です。

・後天的なもの

 感染症や腸内環境の未熟さによって、腸の粘膜に炎症が起こり、消化吸収機能が低下します。また、一時的に消化酵素の分泌が悪くなり、乳糖を分解できず、下痢を繰り返します。粘膜の機能が改善し、消化酵素の働きが戻れば、症状が改善します。乳糖不耐症のほとんどはこれにあたります。

 

治療と対策

母乳やミルクは赤ちゃんの大切な栄養源です。乳製品が消化できないからといって、むやみに摂取を中止すると栄養不足になってしまいます。以下のように対策する場合があります。

・一時的に母乳、ミルクを止めてみる(離乳食完了期の場合)

・乳糖分解酵素(ミルラクト)を母乳やミルクを飲む前に服用する。

・乳糖を含まないミルク(ノンラクト、ボンラクトなど)に変えてみる

※ミルラクトは哺乳に合わせて毎回内服します。飲んで1時間程度体内で働きます。ミルクに混ぜて投与もできますが、50℃以上に加熱してしまうと効果がなくなるので注意が必要です。

※乳糖を含まないミルクに切り替えた場合、下痢症状をみながら、2週間くらいかけて徐々に通常のミルクに戻していきます。

※治療に1か月以上かかってしまう場合も多くみられます。お尻のかぶれに関してもスキンケアを同時にしていきます。